相続放棄とは? 期限や手続き方法について

Poste date: 2021年9月24日

亡くなった方から財産を受け継ぐ 『相続』 ですが、日本の相続の対応方法には、単純承認、限定承認、相続放棄の3種類があります。ここでは相続放棄について解説させていただきます。

 

単純承認:被相続人の権利や義務を全て相続する。プラスの財産と借金等のマイナスの財産も全て受け継ぐ。

限定承認:プラスの財産の範囲内で借金などの債務の弁済義務を負う。全体がプラスかマイナスかわからない場合に有効

相続放棄:相続そのものをしたくない場合。財産より借金が多い場合等に有効。

1. 相続放棄とは?

相続放棄とは、相続人が被相続人(亡くなった方)の財産を引き継ぎたくない時に、全ての財産の相続を放棄することです。全ての財産には、「不動産や預貯金等のプラスの財産」だけではなく、「負債等のマイナスの財産」も含まれます。放棄することにより、最初から相続人ではなかったことになります。

2. 相続放棄はいつまで出来るのか?

「相続があったことを知った日から3ヶ月以内に」家庭裁判所に申し出なければなりません。

*通常、相続を知った時とは被相続人が亡くなった日とされ、初日を算入しない方法で計算します。

例)11日に亡くなった場合、翌日の12日から計算して3ヶ月後

41日の午後(深夜)12時が期限となります。

3. 申請する場所と方法

被相続人(亡くなった方)が亡くなる直前に住んでいた住所地を管轄する家庭裁判所に出向いて提出するか、郵送で送付するかのいずれかになります。(郵送受付をしていない裁判所が一部あります。)

*管轄する裁判所がわからない時は、裁判所のホームページで検索できます。

4. 手続きに必要な書類

・被相続人の住民票除票(又は戸籍の附票)

・相続放棄の申述書
   https://www.courts.go.jp/vc-files/courts/file2/2019_souzokuhouki_m.pdf

・申述人(相続放棄をする方)の戸籍謄本

上記書類の他にも必要な書類がありますが、亡くなった方と申述人がどのような関係かによって必要書類が異なります。詳細は裁判所のホームページで確認できます。また申述書もホームページからダウンロードできます。

5. 手続き費用

・申述人一人につき収入印紙800

・住民票・戸籍謄本取得の代金

・連絡用の郵便切手代(金額は申述先の家庭裁判所に確認してください) 

6. 提出後の流れ

後日裁判所から照会書(申述書の内容に関する質問状)が届きますので、回答を記入して家庭裁判所へ郵送で返信します。回答書の内容を受けて、家庭裁判所が相続放棄の申述を受理した場合、「相続放棄申述受理通知書」が郵送されてきます。(照会書返送後、1週間から10日以内が目安)この通知をもって相続放棄手続きが完了したことになります。

*照会書の内容によっては、相続放棄が却下されることがあります。

7. その他

相続人自ら相続放棄の手続きをすることは可能ですが、相続放棄した方が良いのかどうかの判断、自分以外の相続人への対応、提出書類の記入方法等、個人で対応するには難しい部分が多くありますので、費用はかかってしまいますが、弁護士や司法書士に依頼して手続きを進めるのも一つの方法です。  

依頼金額の目安

・弁護士(戸籍謄本等の取得・書類作成・裁判所への回答) 
   10万円~20万円程度 

・司法書士(戸籍謄本等の取得・書類作成のみ)
    3万~5万円程度

 

  • 新築戸建の選択肢

    新築の戸建に住みたい場合、ゼロから自分で建てる注文住宅か、プランと価格が決まっている建売住宅かという選択肢があります。注文住宅と建売住宅では、設計の自由度以外にも、資金計画の立て方や入居までのスケジュールなど大きな違いがありますので、それぞれの特徴を確認しましょう。
  • 2025年4月から省エネ基準の適合が義務化 不動産の資産価値への影響は?

    2025年4月から日本で新築住宅の省エネ基準適合が義務化されます。2030年にはZEH基準を目指し、段階的に基準が引き上げられる予定です。省エネ住宅は補助金や税制優遇の対象となり、購入者は健康で快適な住まいを選択可能になります。背景や市場への影響も注目されています。
  • 2024年区分所有法改正予定 - 何が変わるのか?

    日本で社会問題となっている老朽化マンションの建替えがなかなか進まないのは、区分所有法の厳しさが一因とされています。そこで老朽化問題の解決を促すべく、区分所有法改定が2024年中に行なわれる事になっています。
  • 土地を購入して一戸建てを建てる流れ

    日本で土地を購入してから、注文住宅(オーダーメイドで建てる家)を建築し、建物が完成・引渡しされるまでの流れについてご案内いたします。家を建てようと検討し始めてから引渡しまでには様々なプロセスがあり、1年以上かかる場合もあります。事前に全体の流れを理解し、計画的に進められるようご参考にしてください。
  • 外国人が日本で家を借りるには? 

    外国人労働者の増加に伴い、日本全国で外国人の住宅のニーズが高まっています。外国人が日本で賃貸物件を借りる場合、言葉や日本独特の商習慣、保証人の問題で難しい場面もあります。外国人の方には、予め日本独特の賃貸の商習慣をご理解いただき、家探しをスタートさせる事をお薦めさせていただきます。不動産賃貸の習慣やルールについてご案内させていただきます。
  • 土地を購入して一戸建てを建てる - 家づくりの条件整理

    土地を購入して注文住宅を建てるにあたって、まずはどこでどんな家を建てたいか、理想の住まいのイメージを検討することが大切です。住みたいエリア、周辺環境、家の大きさや希望する間取り、土地と建物にあてられる予算など、条件を整理するところから始めてみましょう。