世界の不動産投資 ― 2020年 東京が首位

Poste date: 2020年12月17日

不動産サービス大手のジョーンズラングラサール(JLL)は12月2日、2020年1-9月の東京圏への商業用不動産投資額が194億ドル(約2兆円)と世界首位となり、前年同期の4位から躍進し、また2021年も堅調との見通しを発表した。新型コロナウイルス禍で不確実な状況が続く欧米の各都市より影響が少なく安定性の高い東京の不動産市場を、海外の機関投資家が選好している。

JLLによると、東京に次いで、2位がソウル(142億ドル)、3位がロンドン(134億ドル)で、前年同期で1位のニューヨークが5位に落ちた。また3四半期を通じて東京が首位となるのは、08年のリーマンショック以降では初めてとのこと。

不動産投資額の世界の上位の都市

  2020年 1~9月期 2019年 1~9月期
1位 東京 ニューヨーク
2位 ソウル パリ
3位 ロンドン ソウル
4位 パリ 東京
5位 ニューヨーク ロサンゼルス

JLLの資料から

日本全体の不動産に直接投資する海外投資家の比率は1~9月期で38%となり、19年1~12月期の21%を大きく上回った。海外投資家の動向についてJLLによると、大部分を占めていたオフィスに加え、コロナ禍でも成長が見込める物流施設や住宅に投資先が向いており、また日本の不動産市場の利回りは比較的厚く魅力的に映るとのこと

2019年1~12月期と比較した2020年1~9月期の日本全体の不動産用途別の内訳では、物流施設30%(前年同期比11%増)や住宅22%(同9%増)などが増加し、一方、オフィス31%(同9%減)、商業施設7%(同7%減)などが減少した。

不動産投資市場は、新型コロナによる渡航制限の影響を受け、海外投資家の活動が鈍化する可能性があったが、ネット通販の利用拡大や在宅時間の長期化などを背景に、東京圏では物流施設や賃貸マンションの稼働率が安定した。日本に拠点を持つ海外投資家などがこれに反応して、不透明感や経済の減速感が強まる欧米の各都市よりも、安定した東京圏の不動産を選好しているとみられる。

JLLは2021年の見通しについて、「各国の中央銀行の金融緩和により投資待機資金は増えており、政治面が安定し市場規模も大きい日本への資金流入は続く」としており、コロナの終息時期は見通せないが、日本の不動産市場は堅調し推移するとみている。

※参考資料:日本経済新聞 電子版(2020年12月2日)、産経新聞 電子版 (2020年12月5日)

  • 相続した土地を手放したい!-相続土地国庫帰属制度について-

    自己使用の予定がない、賃貸や売却が困難等の理由により、相続したくない日本国内の土地を国家に帰属させる制度「相続土地国庫帰属制度」について、詳しくご説明致します。
  • 最高級の居住空間 ホテルブランデッドレジデンスとは?

    日本ではまだあまり馴染みがありませんが、世界中の主要都市やリゾート地にはすでに多数存在する超富裕層向けのラグジュアリー住居「ホテルブランデッドレジデンス」についてご説明致します。 ホテルを「泊まる」場所から「居住する」場所へと意識変革させ、また世界中の投資家から有益な投資機会とし注目されている不動産物件です。
  • 不動産の所有権登記名義人が海外に居住している場合、日本国内の連絡先の登記が必要になります

    外国人や海外居住者など、不動産を所有する人が日本国内に住所が無い場合、日本国内における連絡先となる者の氏名又は名称と住所の申告及び登記が必要となる事になりました。
  • 土地を購入して一戸建てを建てる - 建築会社選びと建築費

    土地を購入して家を建てるには、購入したい土地を探すところから始まります。住みたいエリアや建てたい家のイメージ、およその予算が決まったら、どのような土地を探せばよいか、土地の条件について確認しましょう。ここでは、土地を探す上で押さえておきたいポイントについてご説明いたします。
  • 東京で広々とした一戸建を借りる

    東京で広い賃貸住居をお探しの方の為に、一戸建て物件の賃貸についてご案内致します。 東京都内にも広いマンションが数多くありますが、ゆったりとした一戸建ての賃貸物件の需要は高く、日本人にも外国人にも人気です。
  • 外国人が日本で家を借りるには? 

    外国人労働者の増加に伴い、日本全国で外国人の住宅のニーズが高まっています。外国人が日本で賃貸物件を借りる場合、言葉や日本独特の商習慣、保証人の問題で難しい場面もあります。外国人の方には、予め日本独特の賃貸の商習慣をご理解いただき、家探しをスタートさせる事をお薦めさせていただきます。不動産賃貸の習慣やルールについてご案内させていただきます。